◆頭痛におすすめする漢方薬
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症状 |
イライラしたり緊張やストレスにより頭痛が発生するタイプ、痛みは定まらず移動することが多い。 |
病証 |
肝気鬱血証 |
処方 |
このタイプの方の頭痛は張ったような痛み、引っ張られるような痛みが頭のあちこちを移動することが多くあります。後頭部が張って憂鬱になりやすい緊張しやすい、などの性格の方に良く現れます。
一般に肝気鬱血証タイプの人は感情の変化で頭痛がひどくなります。性格は几帳面でストレスを受けるとすぐに緊張してしまいます。責任感が強く周囲の人からは信頼される面もあります。女性の場合生理痛、生理不順,生理の前になると乳房が張って痛むなどの症状もあわせてあります。
このタイプの方には柴胡桂枝湯が適します、
消化器の働きをよくし情緒を安定させイライラを緩和してくれます。上記の症状が強くなる場合、龍胆瀉肝湯が、便秘が強い時は大柴胡湯が応用されます。 |
症状 |
頭がすっきりせずふらつきがあり疲れやすく、貧血気味目の疲れや痛みを伴うことが多い頭痛のタイプ。 |
病証 |
血虚証 |
処方 |
血虚証タイプの頭痛は、貧血があり、動悸、息切れ、ジワジワとした鈍痛で頭がふらつくような人に多く発生します。顔色が悪くつやがないことがおおく生理は遅れがちで量も少ない、目のかすみを訴える場合もあります。
このタイプの頭痛(貧血症状が大きく頭痛に影響している)には、八珍湯を使用します。
不足している血を補い流れをよくし、元気を補うことにより症状の回復をします。
八珍湯は、四物湯と四君子湯という漢方薬が合体したものです。疲労感が特に強くむくみなどがない場合は十全大補湯を使用します。
一般に頭痛は貧血があるとよく発生するようになります。西洋医学では鉄剤の服用を勧めますが、胃腸障害などで注射に変える例も多くあります。もともと胃腸が弱く鉄分の吸収が悪くなっているわけですから、胃腸に負担がある薬剤は注意して服薬するようにしたいものです。また上記の薬は病院の薬と併用しても問題ないと判断できます。よくご相談の上体質のあった漢方薬を選択してください。 |
症状 |
午後や夕方になると頭がシクシク痛み出す疲労により痛みが悪化。あまり強くない痛み。 |
病証 |
気虚証 |
処方 |
気虚証の頭痛は、疲れるとひどくなります。だるい、頭がボーっとしている、話すのがいやだ、声に力がない息切れがする、汗をかきやすくよく風邪を引く、食が細く食べ物があまりおいしくない、痔がある、便はゆるい、などエネルギー不足によるものの場合補中益気湯が適します。気を補い体力をつけるとともに不快な症状を緩和します。
体がむくみやすく食欲不振が強いとき消化器の働きをよくし気を補う六君子湯が、腰痛もあり手や足が火照るタイプには黄蓍建中湯が応用されます。ご自分の病状と体質をよくご相談ください。
★牡蠣肉エキスについて
手軽に利用できる漢方として牡蠣肉エキスがあります、昔から牡蠣は完全栄養食品として珍重されてきました。特に貧血気味の頭痛を持っている方や肝機能が低下してイライラしやすい方などの頭痛に適しています。日本クリニックから発売されているバランスターZは安心手服用できるかき肉エキスとして知られています。特約している販売店にご相談ください。 |
症状 |
頭が空虚なかんじで体全体に力が入らない、夜間頭痛がひどくなることが多い。耳鳴りも時々ある。 |
病証 |
腎虚証 |
処方 |
腎虚証のタイプの頭痛は軽微な痛みが持続してくることが多く、軽いめまい、耳鳴り、聴力視力の減退精力の減退も同時に起こることがよくあります。小便の回数や量が多くなり、夜間排尿回数も増えてきます。
六味地黄丸にクコの実と菊花を加えて肝と腎の働きを助け気や血のめぐりをよくする杞菊地黄丸がこのタイプに適します。 |
症状 |
時々、吐き気を伴い発作性の激しい頭痛を起こし、頭の上部、側頭部に冷感を感じる冷え性のタイプ。 |
病証 |
寒証 |
処方 |
寒証の頭痛は激しい発作性の痛みを伴うことがよくあります。普段から寒がりでクーラーの効いた部屋や冷たいものを食べたときによく頭が痛くなります。
疲れやすく食欲不振が多く、胃のつかえや膨慢感、よだれが出やすい方や首が凝るなどの症状を伴うことも有ります。
このようなタイプには呉茱萸湯が適します。
生理不順が強く手のひらや脚の裏の火照りが強く、足腰が冷えるタイプは血液の循環も悪く頭痛のほかに肌がカサカサする、冷えのぼせがあるなどの症状を伴うことがあり温経湯が適します。生理不順で整理の前や後で湿疹や皮膚炎が出る人で、頭痛持ちの方の体質改善によく使用されます。 |
症状 |
頭に水がたまっているように重くだるい、天気が悪くなり湿度が増すと頭重感が増す。 |
病証 |
痰濁中阻証 |
処方 |
痰濁証タイプの頭痛は水分を取りすぎたときに起こりやすくビールやジュースなど冷たい飲み物が原因です。生野菜や生物を好み、いつもからだが重く、水太りタイプの人に多く見受けられます。重苦しい痛みで胸も苦しく悪心、嘔吐なども起こりやすい人です。
このタイプには半夏白朮天麻湯や五苓散を用いて水分代謝を盛んにします。
食べ過ぎや胃のむかつきが強いとき、胃苓湯を、動悸やめまい、立ちくらみが強く、神経質な体質の方は苓桂朮甘湯で水分代謝を調節します。
一般に頭痛は複数の証が重なり合って発生することが多く、単一の処方ではなく複数の処方の合方で対応する場合も多くあります。組み合わせの場合は必ず専門の薬局でご相談の上体質にあった処方を服用してください。頭痛の場合は体質が合っていないとなかなか効果は現れません。 |
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