◆喘息・慢性気管支炎におすすめする漢方薬
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症状 |
顔色が悪く、透明または白い痰がよくでる咳、寒がりで季節の変わり目になり冷えると発作を頻発する。 |
病証 |
肺寒証 |
処方 |
この体質の人は普段から寒がりの体質で冬になったり、寒くなったりすると水っぽい痰や咳がでます。ゼエゼエとした咳がでて発作状態になることもあります。冷房の入った部屋が嫌いで、手足が冷えています。普段は汗をあまりかかず寒冷により発作が起こってきます。
このような人には、小青竜湯がよく効きます。
体の冷えを改善して喘息の不快な症状を改善します。
冷気に当たり風邪をひき、特に咳が強くでるときは杏蘇散を一時的に使用すると良いでしょう。また食欲不振となり咳がいつまでも長引く場合参蘇飲を服用し、せきを鎮め根本的な体力の回復をはかります。参蘇飲は体力をつけてくれる薬味と喘息などのアレルギーを予防する薬味がバランス良く配合されており、小児から老人まで幅広く使える体質改善剤として使用することが多くあります。 |
症状 |
疲れやすく、息切れがある、風邪を引くやすい、いつもが元気ない。 |
病証 |
肺気虚証 |
処方 |
寒さや暑さに関係なく、ちょっとしたことで風邪を引いてしまう人、元気がなく水っぽい痰がよくでる、声も弱々しいなどの人は肺気虚証といえます。汗をかくと風邪をよく引いてしまう。
このようなタイプに人には体の防衛力を付けてくれる玉屏風散が適します。
また、多汗症などにも応用されています。風邪の症状くしゃみ鼻水などが強くでる場合桂枝加黄耆湯を使用します。両者ともに体質改善に使用されていますが、主に体力がなく虚弱な体質で汗をかいた後ぐったりとしてしまうような方に適します。玉屏風散や桂枝加黄耆湯は主に体の防衛機能を助ける役目の漢方薬です。 |
症状 |
体が温まると咳や発作がでる、頭に汗をかくほどの咳をすること時もある、咳がでると激しい。 |
病証 |
肺熱証 |
処方 |
夜布団にはいると咳が出る、暖かい部屋に入ると咳が出る、風邪を引いて風邪は治ったけれど、咳がなかなか止まらなく夜間特にひどい、そんな場合は、麻杏甘石湯を選んだみると良いでしょう。
症状が急性で、のどの腫れ痛みなどを伴い痰も黄色になることが多くなかなか切れない、咳をする度にのどが痛く、口渇や頭痛などもある、痰が多く出る、そんな場合は五虎湯がよいでしょう。五虎湯は麻杏甘石湯に桑の葉をプラスしたものですが、桑の葉、生姜、細茶の3味をプラスしたものの方がよく効いてきます。
ただし漢方はたくさん薬が入っていればよいというわけではありません、夜間の咳のみの場合は、麻杏甘石湯で十分です。
咳が激しく胃腸の状態も悪い、胃を壊してしまった、そんな場合は五虎二陳湯が適します。体質では前出の肺寒証と全く逆になります。 |
症状 |
寝汗をかく、空咳、痰は硬いのどが渇く、などの喘息症状。 |
病証 |
肺陰虚証 |
処方 |
肺陰虚タイプの場合、夜寝ているときに微熱や不快な発汗があり、足などが火照り寝苦しい感じがあります。
やせ形で体の乾燥感の強い場合、麦門冬湯を使い体の潤いを調節し、咳を鎮めます。痰が堅くてなかなか切れない方に適します。
咳の他に常時、のぼせや、ふらつき、足腰の力がない等の症状がある場合は、体力を補い熱症状をさます、慈陰降下湯を用います。 |
症状 |
胃腸が弱く、下痢気味で食事後、眠気が強くでる 体力がなくいつも疲労感があり、喘鳴や発作を繰り返す。 |
病証 |
脾気虚証 |
処方 |
脾気虚証の喘息は、消化器が弱いためにそれが原因で喘息を発症しているケースです。
舌診や問診等で、正確な診断が必要ですが、一般に、喘息持ちの方には胃腸の弱い方が多く みられます。食欲があまりなく当然のように空腹感もあまりありません、時間になったから仕方なく食事をしているという人もあります。疲れやすく、食事をしても消化されず下痢気味のため体力がありません。水っぽい痰を多く出すことが多く、このタイプの人は胃腸を強くすることによって喘息の不快な症状を改善します。基本処方は六君子湯で、体力を補いながら改善を図ります。咳がひどくでている場合咳止めの効果を強くした喘四君子湯を使用します 。 |
症状 |
喘息とともに足腰がだるく痛む、手足もほてる。難聴、耳鳴りがある、精力が減退してきた、目がかすむ、夜間排尿がある、などを併発している。 |
病証 |
腎陰虚証 |
処方 |
高齢者に多く、足腰の力が老化とともに弱くなって、喘息症状を起こした場合、基本的に六味地黄丸を主体にした処方が適します。
冷えはそんなに強くないが、夜間のどが渇いたり、耳鳴り・不眠などを伴う場合六味地黄丸を。手足の冷えや冷えからくる腰痛などを併発している場合は八味地黄丸を使用します。
また若い人にも応用されることがあります。咳が激しく、発作も強くでる場合は味麦地黄丸を用います。胃腸の弱い人の場合、食後に服用した方がよいでしょう。特に味麦地黄丸は腎陰虚証の喘息に第一次選択といえるくらい良く使用されます。胃腸の弱い人の場合、食後に服用した方がよいでしょう。
体のむくみがあり、夜間の排尿が定まらず精力減退もある場合牛車腎気丸を使用して水分代謝を調節しながら喘息体質を改善します。 |
症状 |
精神的なストレス、感情の起伏などから喘息発作を起こす人。 |
病証 |
肝気鬱結証 |
処方 |
普段から怒りやすくイライラが耐えない人で、おなかや胸が張りやすく嫌なことがあると喘息発作につながる。
このような場合四逆散を使用します。
四逆散はいろいろな処方と組み合わせて使用されることが多くありますから、相談が必要です。
不安感やのどの違和感が強い場合、柴朴湯がよいでしょう。
女性で生理不順や、更年期障害などを伴い、内出血やあざを作りやすい人の場合加味逍遙散が適します。肝血液循環をよくして、イライラなどからくる発作を改善してくれます。
咳が強く出ている場合は、咳止め目的の漢方処方と合方して使用するのがよいでしょう。 |
症状 |
めまい・どうき・などがあり不整脈も気になり、心配症である。 |
病証 |
心陽虚証もしくは心気虚証 |
処方 |
普段息切れがして、胸が苦しくなることがよくあり、動悸もあり、呼吸が苦しくなると不整脈が気になるタイプです。喘息を持っている人は発作の不安や、心配を持つ人も多く、呼吸困難と同時に、動悸など起こしやすくなります。
寒がりで手足が冷える、むくみやすい、汗かき顔色が青白い、いつもなにがしかの不安感があり疲れ安いなどの症状がある人は炙甘草湯がよいでしょう、手足の冷えやむくみをとり、発作を起こりにくくしてくれます。 |
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