◆膀胱炎・尿道炎におすすめする漢方薬
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症状 |
排尿時に尿道の圧迫感がありスムーズに出ない。
焼けるような排尿痛(あぶら汗をかくほど痛い)、尿の色は黄赤色。
頻尿、残尿感がある。陰部がかゆい。女性の場合は黄色の帯下。 |
病証 |
膀胱湿熱証 |
処方 |
この症状の主要処方としては、五淋散を用います。
膀胱湿熱証ですから梅雨時や雨の日などになると発症する、女性の場合はおりものなどがある場合に適します。
イライラして口が苦い、陰部のかゆみが強い場合は竜胆瀉肝湯がよいでしょう。 |
症状 |
激しい排尿痛、鮮紅色の血尿(血尿のない時は黄赤色)、頻尿。
顔や身体がほてって眠れない、のどが渇き冷たいものをガブガブ飲む、痛みの強い口内炎がよくできる、舌先が真っ赤。
飲酒や辛いものの食べ過ぎ後によく起きる。 |
病証 |
心火亢盛証 |
処方 |
このような症状の場合、西洋医学の治療を受けるのが通常ですが、同時に排尿困難がありなかなかすっきりとしない場合は黄連解毒湯+猪苓湯を追加すると良いでしょう。 |
症状 |
排尿後に不快な身震いがする。尿の切れが悪く、排尿に時間がかかる。軽い排尿痛。
疲れたり、冷えたりすると頻尿になる。尿の色は無色に近いが、油のようなものが浮くことがある。
腰に鈍痛。足腰に力が入らない。
中年以降の冷え性の人に起こりやすい。尿の細菌検査ではほとんどが陰性。 |
病証 |
腎陽虚証 |
処方 |
この症状の主要処方としては、八味丸を用います。
排尿困難があり、尿量が少ない場合は牛車腎気丸を用います。
両方とも、老化による代謝機能を補い不快な排尿障害を治療してくれます。
西洋医学の薬とも併用できますので、医師や薬剤師にご相談ください。 |
症状 |
尿の切れが悪く、一息ついてぽたぽた落ちる。
頻尿、残尿感。排尿痛はほとんどない。
尿の色は淡黄色だが、排尿の終わりに淡紅色の血液がにじむことがある。トイレに間に合わないことがある。
疲れやすく、疲労により頻繁に繰り返す。食欲不振。下痢をしやすい。 |
病証 |
中気下陥証 |
処方 |
この症状の主要処方としては、補中益気湯を用います。
はっきりとした血尿があり、精神的にも疲れている場合は帰脾湯を用います。
漢方でいう血尿とは、尿に血液が混ざっていると判断できるような尿の色をいいます、西洋医学のルミノール反応陽性のことではありません。 |
症状 |
排尿後に下腹部がシクシク痛む。
頻尿、残尿感。軽い排尿痛。下腹部の不快感。
尿の色は淡黄色。顔色が悪く、肌にツヤがない。普段から尿の出が悪く、冷え性。顔や手がむくみやすい。天気の悪い日は体調がよくない。 |
病証 |
脾虚肝乗証 |
処方 |
慢性的に繰り返し、そんなに強い症状ではないが上記の症状がある場合。
この症状の主要処方としては、当帰芍薬散を用います。
当帰芍薬散のポイントは貧血症状、血虚などを確認できるときです。
肉体的な疲労感もあり、食欲がない場合は当帰芍薬散+補中益帰湯を用います。
また、冷え性によって排尿の症状が悪化する場合は当帰芍薬散+八味丸を用います。
少し長期的に体質を改善しましょう。3ヶ月くらいの期間が必要です。 |
症状 |
強い排尿痛があり、脇腹に響く。下腹部に張るような痛みがある。
頻尿、残尿感。尿の色は黄色〜黄赤色。イライラすると症状が悪化する。口が苦い。
女性の場合、生理不順。 |
病証 |
肝気鬱結証 |
処方 |
この症状の主要処方としては、加味逍遥散を用います。
加味逍遥散単品では効果が限定されますので、尿道疾患用の薬味を加味すると良いでしょう。
排尿痛が、針で刺されるような激痛の場合は四逆散+折衝飲を用います。
また、個々の症状は軽度だが、慢性化している場合は加味逍遥散+四物湯を用います。 |
症状 |
絶えず尿意があるにもかかわらず尿の出が悪い。尿の切れが悪く、一息ついてぽたぽた落ちる。
排尿痛は軽度かほとんどない。残尿感。排尿後に尿が赤く濁る。尿の色は黄赤色。
疲れやすく、疲れると動悸がする。胸が苦しい。口や喉が渇く。手足がほてる。 |
病証 |
心気陰両虚証 |
処方 |
この症状の主要処方としては、清心蓮子飲を用います。
清心蓮子飲は老人などで、体力が衰え、強い薬(抗生剤など)が使えない場合良く使用されます。
体は比較的、熱を持ちやすい場合が多いでしょう。
西洋医学でなかなか効果のでない老人性の泌尿器疾患に使用すると、良い結果が期待できます。
できるだけ煎じ薬を選んで、冷やして飲んでもかまいません。 |
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