◆リウマチにおすすめする漢方薬
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症状 |
関節がやや冷たく、痛み・腫れ・曲げ伸ばしがつらい。
梅雨時の寒い日など、冷えると関節の痛みが増すが、温めることによって楽になる。 |
病証 |
痛痺証 |
処方 |
風寒湿邪(とくに寒邪)が経絡関節にとどまっていることによりリュウマチがおきている状態、簡単に解説すると寒くなってくると痛み出すリウマチのことです。
その風寒湿邪(とくに寒邪)を除くために一般には桂枝加苓朮附湯という漢方薬をを用います。
この処方は体力があまりない方で、比較的急性のとき使用されますが、加えて首すじや肩、背がこりやすいなどの症状が重なる場合は、葛根加朮附湯がよいでしょう。
また、手足が冷え、しもやけができやすい場合は、当帰四逆加呉茱萸生姜湯を、上半身だけ火照りのぼせるが下半身は冷えて痛む場合は五積散を服用するとよいでしょう。五積散は処方内容の加減が必要です。 |
症状 |
関節が重だるく、痛み・腫れ・曲げ伸ばしがつらい。
雨降り前や梅雨時など、湿気が多い時に関節の痛みが増す。足がむくみ、下半身が重だるい。 |
病証 |
着痺証 |
処方 |
風寒湿邪(とくに湿邪)が経絡関節にとどまっていることによりリュウマチがおきていますので、その風寒湿邪(とくに湿邪)を除くためにヨク苡仁湯を用います。
秋涼の季節になり寒さとともに湿気があると痛みが出てくる、また梅雨時期になると痛みが出る等に方に適します。ヨク苡仁湯は代表的な処方で良く使用されるますが、効果も非常の良いものがあります。四季がある日本では寒さにまして湿気がリウマチに影響をしていることが多くあります。ヨク苡仁湯は日本の風土に良くあった処方でもあります。
同じく湿気が絡んでいるときに痛み、寒気がしたり、夕方に微熱が出るような場合は、麻杏ヨク甘湯がよいでしょう。
また、水ぶとりでむくみやすく、汗をよくかく場合は防己黄蓍湯を服用するとよいでしょう。 |
症状 |
筋肉・関節が腫れて痛み、赤っぽく熱感がある。患部を冷やすと楽になり、温めると痛みが増す。
舌を見ると、普通より赤く、黄色い苔がついていることがある。 |
病証 |
熱痺証 |
処方 |
風湿熱邪(とくに熱邪)が経絡関節にとどまっていることによりリュウマチがおきていますので、その風湿熱邪(とくに熱邪)を除くために越婢加朮湯を用います。
暖かい部屋に長時間いたことにより、痛みやむくみが出るケースです。
越婢加朮湯という漢方薬は越婢湯という処方に白朮という薬味を加えた処方です。
リウマチに使用の場合は、一般に急性のむくみ、むくみからくる痛みなどの時に使用されます。 |
症状 |
関節が腫れて変形し、曲げ伸ばしがつらい。全身が重だるく、食欲もない。顔色が悪く、肌につやがない。
舌を見ると、周辺に歯形がついていることがある。 |
病証 |
気虚湿痺証 |
処方 |
全身が重だるい症状は気虚が原因です。漢方では全身を回るエネルギーのことを「気」と称します、単純にエネルギー不足により疲れたりしたときの痛みが出る、このような症状には補中益気湯を用いることにより、気血はめぐり湿も取り除かれ、リウマチは改善されます。また、胃腸が弱く下痢をしやすい場合は六君子湯がよいでしょう。
食べ物のこなれが悪く、めまいがする場合には半夏白朮天麻湯を服用するとよいでしょう。
どの処方も体を巡る気を調節してリウマチに対処しようとするものですが、痛みを止める役割の漢方を合方したり加味することが多くあります。 |
症状 |
関節にするどい痛みがあり、昼間より夜間に強くなる。関節の腫れは固く変形し、曲げ伸ばしができない。 |
病証 |
血虚血オ痺証 |
処方 |
血が不足し、血が滞っていることが原因のリウマチです。
このような症状には疎経活血湯を用いることにより、滞った血がめぐり、リウマチは改善されます。疎経活血湯は非常に多くの生薬で構成されており、血液の循環を改善させてリウマチの不快な症状を改善する薬です。貧血があり、長年の痛みを持っている方に適しますが、長期的に服用して体質改善をはかります。また女性の場合、生理時に下腹、腰が痛むことがあります。この場合は桂枝茯苓丸を中心とした処方がよいでしょう。
関節以外にも全身の筋肉があちこち痛む場合には身痛逐オ湯を服用するとよいでしょう。
身痛逐オ湯は類似の処方が漢方に多くあり、それぞれ体質によって細かく分かれていますのでこのタイプの方は良く症状をご相談してください。 |
症状 |
高齢の方に多く、関節が腫れて痛み、曲げ伸ばしがつらい。
関節症状は夜間に悪くなり、小便などにおきるのもつらい。 |
病証 |
肝腎虚痺証 |
処方 |
高齢の方に多い原因は、肝腎の働きの低下によりおこるリウマチだからです。
このような症状には八味丸を服用し、肝腎の働きを盛んにしてやることでリウマチを改善します。
筋肉がやせて、足のスジがつったりする場合には大防風湯がよいでしょう。
また骨折しやすく、小便の出が悪い場合は牛車腎気丸を服用します。
これらの処方はどれも老化から来る体力の衰えを補うことによってリウマチの不快な症状を改善するように働きます。八味丸は冷えの強い場合使用されますが胃腸の弱い方はさけた方がよいでしょう。 |
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