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◆肌トラブル 肌アレにおすすめする漢方薬


症状 カサカサ・ザラザラして粉をふく感じの肌アレ。角質がパラパラ落ち、肌に潤いがなくつっぱる。たちくらみやめまいが起こりやすい、足のかかとが乾燥して硬くなり、ひどい時には割れて痛む。爪が割れやすい、あかぎれ・ささくれができやすい。
生理の量が少ない、生理の期間が短く周期が長い。
病証 血虚証
処方 この症状の主要処方としては、八珍湯を用います。
八珍湯は補血の効果と補気の効果を合わせて持った処方です、西欧医学的に貧血がなくても漢方的な考えで血虚などがある場合は上記のような症状とともに肌荒れが出てきます。八珍湯は体力がなく風邪も引きやすい方の漢方薬ですが、皮膚がきれいになりつるつるする効果があります。
手や足のうらが特にほてることがあったり、体調や食欲にムラがある場合は四物湯六君子湯がよいでしょう。胃腸が弱く栄養の吸収がなかなかできない方の肌荒れに適します。
また、痒みや発赤が慢性的に伴うことがある場合には当帰飲子を用います。

症状 角質が厚くなり、ゴワゴワした感じの肌アレ。顔全体が肌アレし、くすんだように黒っぽく、ひどい部分はシミになっている。肩や背中にコリ、沈重感がある。
生理痛がひどい(ひどい時は陣痛のような冷や汗が出るほど痛む)、生理不順がある。生理時の出血が黒っぽい、またはレバー状の血塊が混ざる。
病証 血オ証
処方 この症状の主要処方としては、桂枝茯苓丸四物湯を用います。
胃腸が弱く、疲れやすい。ため息・生あくびが多く、おりものがずっと止まらないなどで憂鬱になることがある場合はキュウ帰調血飲を用います。
また、生理痛(主に下腹部の張痛)がひどい、生理に血塊が多い場合には折衝飲を用います。
以上のように上記3書類はどちらかというと血液をきれいにすることを目的とした処方ともいえます。

症状 一見肌アレしているようには見えないが手で触るとガサガサしている。肌に潤いがなく、パサパサした感触。目が疲れたり、耳鳴りがする、口の中がパサパサした感じがある。
クリームが肌になじまない、シットリしない。生理時不順で期間がダラダラと長く続く。やせ型の人に多い。
病証 肝腎陰虚証
処方 この症状の主要処方としては、六味丸四物湯を用います。
使い切ったエネルギーを補充しながら、肌の回復を待ちます。六味丸はいろいろな処方と組み合わせて使用します。


◆肌トラブル シミにおすすめする漢方薬


症状 目・鼻・口の周りにシミが多い。色白の人に多く、色は薄い黄土色・灰色がかった褐色・灰黒色。目の下を中心に、米粒大のシミがポツポツできている。
疲れやすい、朝スッキリ起きられない、夏バテしやすい。食が細く、あっさりした物や甘い物を好む。
病証 脾肺気虚証
処方 この症状の主要処方としては、補中益気湯を用います。
いつも軟便ぎみ、頻繁に下痢をする、食欲不振、胸ヤケがある場合は一時的に参苓白朮散を用います。
また、食欲にムラがある、手のひら・足の裏がほてる場合は当帰健中湯を用います。

症状 こめかみ・頬骨・目・鼻すじ周辺に多い。色は黄土色〜褐色、鼻すじにまたがって、左右に蝶が羽をひろげた様にくっきりできている。こめかみや・頬骨に、小豆大〜十円玉大に丸くできている。
イライラしたり、憂鬱になることが多い。肩・うなじ・背中がこったり・張ったりし、押すと痛む。
病証 肝気欝結証
処方 この症状の主要処方としては、加味逍遥散を用います。
加味逍遥散は神経性胃炎などを併発している場合でも使用できます。
また、緊張感・焦燥感・憂鬱感が強い、肩・うなじ・背中のコリがはなはだしい場合は加味逍遥散柴胡桂枝湯を用います。
加味逍遥散+柴胡桂枝湯はイライラからくる肌荒れ、シミに良い効果が出る組み合わせです。

症状 目の周り・唇の上・両頬などに多い。色は淡褐色・チョコレート色・青みがかった黒褐色・どす黒い。シミが中心に向かって濃くなっていたり、やや濃淡がある。目の周りに影のようなシミができている。
生理痛がひどく、出血にレバー状の血塊が混ざる。足が冷えるのに顔がのぼせる。アザができやすい。子宮筋腫や子宮内膜症がある。
病証 血オ証
処方 この症状の主要処方としては、少し特殊な使い方ですが桂枝茯苓丸当帰芍薬散の併用を用います。
産後で体調もはっきりせず、胃腸が弱い、イライラ・クヨクヨしやすい、ため息・生あくびが多い場合はキュウ帰調血飲第一加減が良いでしょう。
また、便秘がひどく、便秘をするとお腹が張って不快な場合は通導散を用います。

症状 顔全体にできていて、特に額・まぶた・頬骨・鼻・顎に多い。色は薄い褐色・チョコレート色・黒色などが混ざっている。
シミに濃淡があり、1つのシミの中でも色が異なってまだらになっている。濃いシミは境界がはっきりしていてかなり目立つ。
眼精疲労・目のかすみ・視野の中に虫のようなものが飛んでいるように見える(飛蚊症)。手のひら・足の裏がほてりやすく、手足がつることがある。腰から下に力が入らない・だるい。
病証 肝腎陰虚証
処方 この症状の主要処方としては、六味丸を用います。
六味丸は腎陰虚に使用されますが先天的なエネルギー不足を補ってくれます。基本的な処方ですから他の処方との組み合わせとなります。
眼精疲労・目の乾燥感・目のかすみが顕著な場合は杞菊地黄丸を用います。
また、イライラしやすい、緊張感・焦燥感によって目が充血したり、顔がのぼせたりする場合は六味丸加味逍遥散がよいでしょう。


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