◆全身の疲労感、倦怠感、頭痛
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30歳代女性 |
全身の疲労感、倦怠感、頭痛。 |
生活-01 |
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◆症状と経過
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慢性の疲労感がある、以前から貧血気味で病院で増血剤をもらったことがある、販売業のため朝早くから夕遅くまで働きずめ、なかなか休みが取れない、体質は汗かきで疲れやすい、食事の後にすぐ下痢気味になり体力がつかない、少し肥満がある。自分では体は丈夫な方だというが、慢性の激しくない頭痛を持っている、前回は夏風邪のせいか下痢が激しいため真武湯を服用した、服用してはじめの頃は効いた様子で体の倦怠感もなくなったがまた倦怠感が出てきて、疲れてしょうがないとのこと。仕事はがんばっている。 |
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◆使用処方と考察
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舌診は、淡白滑沢、白苔はうすいが、舌下静脈の怒張が激しく血流計の測定結果も悪い、食事後の下痢症状が治らないため、平胃散を使用する。お血があり、血府逐お丸を合方として使用する継続服用を勧める。経過観察中。途中真武湯を短期間使用。2週間後、来店され血流は非常によく改善されている、夏の間もう少し元気を出したいとのこと、少し高価な薬であるが、牛黄清心丸をすすめる。牛黄清心丸は夏ばてにもよく効く高貴薬である。欠点は高いこと、日水の牛黄清心丸が一番品質がよいと判断する、ちなみに私自身も時々あの芳香にひかれて服用するときがある。相談者はご夫婦で服用している。 |
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◆30歳代女性の生活習慣病と判断される血流測定値
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注1)
最低血圧が114と非常に高く、それに比べて最高血圧は正常な値を示している。最高、最低の幅も狭く、血管や血管壁の異常なども考えられ、専門医による検査が必要と判断する。
注2)
KSG(コロトコフ・サウンド・グラフ)においても正常なスワン型とはならず、ほとんどピークが示されない状況、漢方的には気虚、血虚などがある時によくでるパターン過労きみで体力が低下している。
注3)
TP−KSは70msを下回っており、交感神経の興奮、運動負荷、貧血などの場合低い値を示すとされている。基準値は70〜190ms
注4)
TPR(総末梢血管抵抗)は3690と非常に高い数値になっている、血流障害、緊張血管収縮、動脈硬化などの場合高い値が出てくる。
基準値は952〜1308。
[漢方での対応]
問診、血流のデータなどから、血府逐オ丸がファーストチョイスになる。
家族は(両親二人とも)脳血管障害で死亡しており、家族性の高コレステロール血症の疑いもある、是非西洋医学の検診を勧めた、漢方を希望の方の大半は、西洋医学の受診がいやなために漢方でも???という動機が多くある。患者さんと一緒に、血流をはかることで、受診のきっかけになれば幸いである。
現代の病気は、ほとんど進んだ西洋医学で完治するようになっている、しかし全体のわずかであるが、2割から3割の患者さんが西洋医学的な考え方より漢方的なアプローチで治療した方がよい結果になることがある。
漢方は万能ではないし、また加持祈祷の類に値するものでもない、立派な学問としてなりたっているが、すべてを漢方に頼ってくる人はありがたい一面、漢方だけで治療に当たれない場合も多く経験する、医者が怖い、病院が嫌いなどといわず、そんな場合は、まず西洋医学を再度受診してから。。と話している。。
そんな1例です。。。。。。。。 |
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