◆検診にて、原発性の小細胞性肺癌を発見される、喀痰、軽度の咳、倦怠感
|
50歳代男性 |
検診にて、原発性の小細胞性肺癌を発見される、喀痰、軽度の咳、倦怠感。 |
内蔵-02 |
|
|
◆症状と経過
|
たばこは吸わない、保険会社勤務、これからもこの仕事を続けたいとのこと、少し気落ちした感じがする精神的にめいっている様子、長年の苦労がたたり、病弱な状態が続いていた。
検診にて肺癌を告知される、やせ形で貧血気味、右肺に疑いのある陰影を指摘され地元の総合病院に入院、抗ガン剤の投与で2ヶ月入院する。癌の陰影は依然として消えていない。
退院してご本人が相談に見える、入院前に比べ体力が落ちており、強い運動をすると倦怠感が出る、放射線の治療を医師より勧められ体力がこれ以上落ちることをいやがり思案していたが、ご家族は放射線治療を勧めておりこれまでに2回の入院をした。
今まで大きい病気は1回も経験していない、漢方療法を併用したいと相談に見える。 |
|
◆使用処方と考察
|
癌の場合、ほぼ100%が西洋医学との併用治療となる。
当薬局では癌と診断されている方の処方はすべて、十全大補湯に統一して服用して頂いている、気血両虚に使う処方である。
漢方では難治の疾患を形成する原因として、大きく血虚、気虚、ヲ血、気滞、の4症状をあげている、気血が滞ると百病生ずるという考え方の基本にたち、気虚を補う四君子湯と、血虚を補う四物湯の組み合わせに桂枝と黄蓍を加えた処方、すなわち十全大補湯。
ヲ血や気滞などが当然みられる場合も多く、他の処方を証に合わせて合方したいケースも多くあるが、いっさいの合方はしていない、ただし生薬の修治をいれて処方の力を最大限発揮されるようにしている、このように修治を多く入れることにより通常の薬味構成の十全大補湯に比べはるかに効果的となってくる。
黄蓍においては蜜炙黄蓍とし陰虚血虚に対する潤燥作用を増し、当帰の場合は酒洗当帰とし補血作用を増強し、白朮の場合は清炒白朮とし健脾作用を増強している、当然甘草は炙甘草を使用し、桂皮は桂通を使用。
癌の場合の十全大補湯の処方構成(修治)
・当帰−酒洗当帰(修治)
・芍薬−赤芍薬
・川弓−川弓
・地黄−熟地黄(修治・縮砂紹興酒使用)
・人参−紅参片
・白朮−清炒白朮(修治)
・茯苓−朝鮮茯苓
・甘草−炙甘草(修治)
・黄蓍−蜜炙黄蓍(修治)
・桂皮−桂通桂皮
また、併用する健康食品として、茸菌糸体を多く含んだ万寿霊茸という健康食品を服用して頂いている。これは茸のベータグルカンによる、免疫賦活作用を期待したものでキラーT細胞などの生体免疫機能を高め、自分の力でがんを克服できるようにするためである。
万寿霊茸には二〇種類の茸グルカンが入っており、ほとんどの抗ガン茸を網羅している健康食品である。放射線治療のときなど副作用が非常に軽くすんだという例が多くあり、是非併用をして頂きたい食品である。
本例の患者さんは、十全大補湯と万寿霊茸を併用して頂いている、放射線療法は約1ヶ月弱の入院周期で2回終了した、その時点で初期の陰影と比べ半分以下に癌が縮小し痕跡程度、転移も全くないとと医師から説明されたとのこと、不快な副作用はほとんど感じなかった、漢方薬を服用していることは医師に話し了解を得たとお話しされている、医師は何を服用しても良いと説明されたようで健康食品などに理解のある医師の場合患者は気持ちが楽になるようである。
入院中は煎じ薬と万寿霊茸は朝のみ食後に1回服用していた、現在退院して自宅療養中、1日2回に増やし継続している、当然病院の薬も併用。体力も相当回復してきたそうで、職場復帰を間近にしている。 |
|
|