◆神経性の頻尿(1日に10回以上、職場でも頻繁で恥ずかしい)
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40歳代女性 |
神経性の頻尿(1日に10回以上、職場でも頻繁で恥ずかしい)。 |
泌尿-01 |
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◆症状と経過
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45歳、女性、1日に10回以上トイレにゆく、尿の回数が多すぎて人目が気になる。食事をすると必ず排尿する、寝付きが悪い、娘の携帯電話の音やご主人のテレビの音が気になり熟睡できない、と相談に見える。夜間排尿も2回ほどある睡眠につく前にかならず排尿するようにしているがだめ、水分はあまりとらなくしている。汗はほとんどかかない、生理は順調、BP130−90、冷え性ではない、貧血もない、体は疲れる、舌質紅、薄い白苔、左の脇腹がいつも張ったような痛み、とくに排尿後違和感がある、腎臓疾患の心配をしている、便は硬い、一昨年右膝に水がたまり軟骨の変形があると外科で言われている、舌下の静脈太くはれている、性格は神経質なところがある、この症状は2から3ヶ月前から気になっている職場でも他人に変な目で見られることがいやで漢方治療を希望。 |
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◆使用処方と考察
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神経性のことから、心・肝の作用失調と解釈し熱実証、風邪をずっと引いているような感覚がある、ともお話のため慢性腎炎の疑いは?と質問したが西洋医学的に検査の結果異常はないとのこと。
柴胡剤のうち、逍遙散を選択する。加味として、酸棗仁、遠志、大黄0.3と桂枝を加えた処方とする、逍遙散加味方。3ヶ月ほどしてずいぶん尿の回数が減ってきているとのこと、顔色も良くなり表情が明るくなった、六ヶ月後にほとんど症状がなくなったので服薬を終わりとした。その後もほとんど症状は出ていないとのこと。現代の漢方相談でやはり多いものが肝気鬱からくる不定愁訴である。 |
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