◆若い頃から治らない慢性の尋常性乾癬(自己判断による)
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40歳代女性 |
慢性の手の水疱、かゆみ 皮膚科の軟膏で治癒しない |
皮膚-14 |
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◆症状と経過
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主訴は手の水疱とかゆみ、皮膚科に通院、内服薬とステロイド軟膏で治療中だが強いかゆみがよくならないということでご相談にこられた。
指の側面や、手の甲では無く、手の平に水疱ができていて刺激を加えるとかゆみが悪化する。
常に綿の手袋をしている。
かゆみが強く眠りが浅い。
かゆみが強いときは熱感がある。
皮膚の一部はかさぶたになっていてかさかさしている。 |
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◆使用処方と考察
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水疱があり熱感を伴った強いかゆみがある。
水疱は皮膚表面に水分が溜まっていると考えられ、このような場合は水分の動きをよくする薬と、皮膚表面の熱を冷ます薬の併用が最初に考えられる症例です。
日中や夜間を問わず、ほんのちょっとした、わずかな刺激でもかゆみが生じることは皮膚表面のバリア機能が低下している状況と考えられます。
皮膚表面の気のことを東洋医学では衛気(えき)と言います。衛気を補う代表的な生薬として黄耆という生薬がありますが、処方はその生薬を含んだ構成となります。
痒みが強く、イライラも出てきているとのことで、痒みを早く取ってあげることも必要になりますので、それらを考慮し消風散と防己黄耆湯をあわせた“煎じ薬”を飲んでいただきました。
服用後一か月経過したところ、効果を実感するようになり、水疱の発生が減り、少しの刺激でかゆみが強くなるということも少なくなり生活のクオリティーが全く違い楽になってきたとのこと。
このケースの場合は、3ヶ月間きちんと服用していただき、痒みや水疱の発生は全くなくなったため、投薬は終了となりました。
保湿剤やハンドクリームなどを沢山使っていましたが、治療後は全く使用しなくても、普段の生活が送れるようになっています。
発現している症状から処方を検討し、症状に対しては消風散で治療し、体質については防已黄蓍湯を使用して良い結果が得られた症例です。 |
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