◆外傷後痛み・しびれのため眠れない。早く職場復帰したい
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40歳代男性 |
外傷後痛み・しびれのため眠れない。早く職場復帰したい |
外科-07 |
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◆症状と経過
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40歳代男性。自宅にて草刈機で作業中、あやまって自身の足首から甲のあたりをカットしてしまった。
入院し神経・筋・血管を縫合する手術を受けた。
骨挫傷もあった。幸い感染は無く経過は順調なものの、損傷した神経による痺れ・鈍痛がひどく眠剤(マイスリー・デパス)無しでは眠れなかった。不安に思い、退院直後に相談のため来店した。
来店時足を引きずっており腫脹がまだあり、神経損傷からの回復の途中であるため少し触れただけで飛び上がるほど過敏な部分もあった。
主治医からは「職場復帰にはあと3ヶ月はかかる」と説明されていたが、この不況の中、休んでいられず、1ヶ月後には復帰したいとお話を去れ、精神的にも焦りが感じられた。 |
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◆使用処方と考察
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熱感・腫脹有り。舌診にて舌下静脈の怒張があり、外傷による於血が考えられた。大量出血の影響か血流計にてKSG値が低く血虚もあった。加えて早く職場復帰したいという焦り・不安も見て取れた。
処方は外傷による血於、気滞・血虚血於とみて活血化於・疏肝理気・補血の「血府逐於湯」に理気止痛を強化するために「通導散」を合方した。(便秘の症状は無いため芒消は去とした)
2週間後、再び来店。徐々に腫れもひき、痛みも治まり眠剤は全く使用していないとのこと。
「この分なら希望通り来月には復帰できそうだ」と喜びの声が聞けた。
あと2週間分服用して復帰したいとの希望で同様の血府逐於湯合通導散を処方した。その後再度来店されて職場に元気に復帰されたとのこと。服薬はその時点で飲んでいないとのことで終了とした。
明らかに血於が照明される場合は、血府逐於湯は非常に良い効果を発揮してくれる、通導散は行気通絡の効果を強くするため、痛みなどが強い場合に煎じ薬として必要な生薬のみ追加する形で服用していただいた。 |
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