◆20年ちかく続く腰痛、梅雨時になると症状悪化、入退院を繰り返す
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60歳代男性 |
20年ちかく続く腰痛、梅雨時になると症状悪化、入退院を繰り返す。 |
外科-03 |
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◆症状と経過
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慢性の腰痛、20年前から苦しんでいる、いろんな病院や外科に通ったが完治せず、毎年梅雨時になると悪くなる、軽い痛みは年中ある。じっとしていると痛くない、動かすと痛くなる、外科で骨の異常は特にないといわれる少し軟骨の圧迫があるのでそれが原因しているのではないかといわれている。若い頃重いものを持ってぎっくり腰を起こしそれ以後この症状が続いている、昨年胃潰瘍の手術を行った、食欲は十分にある。夜間排尿やのどの渇き、膝の痛み等腎虚の症状は認められない。血虚もなし。 |
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◆使用処方と考察
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舌診は、分厚い青舌、全体に暗い色でヲ血と診断できる。厚い白苔が全面に広がっている。舌下静脈は舌ひっくりかえらないので確認できない、夜間寝付きはあまりよくない、冬は懐炉を常用して腰の部分を暖めているとのこと、夏冬で好きな季節は断然冬の方が過ごしやすい。湿熱で血ヲがあり、胃腸虚弱。採用処方は独活寄生湯合桂枝茯令丸としOTC薬のエスファイトゴールを2錠分2で朝夕とした。非常によく効いたとのことで、3日目で痛みが楽になってきた、続けて服用している。独活寄生湯は中年以降の腰痛によく効く処方である。八味丸等は比較的症状の軽い場合、腎陽虚を確認して使用するが使用量は独活寄生湯がはるかに多い。 |
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