■ウイキョウ(からかさばな科)
 漢名は茴香、英語でフェンネルという。畑地に栽培される多生草本で、高さ一・五〜二mに伸びる。葉は大型で糸状に細かく裂けた裂片から成る。花は夏季、小形で黄色。繊形花序に排列する。果実は麦粒の小さいようなもので強い香気がある。ウイキョウは産地によりいろいろと形がちがうものや果実の大きさに大小がある。
 特にフランスの南部に培養されるローマ茴香、一名甘茴香は種子が普通のウイキョウよりも大きく、幅の広い淡類黄色の羽翼(肋線)があり、美味。香味料として好適。(注意、大茴香は木蘭料の植物で別種のもの。)

「薬用部と利用法」
 種子を乾かし、およそ五〜八g煎じて乳の出ない人に分泌を促進する目的でのむ。その他疝痛、?痰等に効あり。また、この種子から蒸餾して油を採る。その油を香味料としたり、たんせきの薬の中にまぜる。葉はロシア漬けに入れたり漬物にする。