立麝香草という。一名チムス。ヨーロッパ原産のもので、各地に栽培。茎の高さは三十p、茎部はやや伏臥のかたむきあり、葉は小さい。無柄の披針形で少し反曲す。花は淡紅紫色の小花で輪繖花序に頂上に開く。本邦各方面の山地、特に八ツ嶽方面に自生するイブキジャコウソウ、一名百狸草は葉が少し大きく葉柄あり、茎及び葉柄が帯紫色で葡匐しているので区別がつく。
「薬用部と利用部」 八月の頃、葉を採り乾燥する。高級ソースの原料、タイムセージの芳香調味料など応用される。薬としては、セキ止め(ことに小児百日ゼキなど)に煎じて濃厚エキスとなし、砂糖を加えるか蜂蜜を入れてのませるとよい。 |