■ナズナ(十字科)
漢名を薺という。春の七草の一つで、俗にペンペングサという。田園、路傍のいたるところにあり、茎の高さは十五〜二十cm、葉は羽状に分裂、各裂片は線形、花は白色の十字花を総状につずる。果実の形が三味線のバチに似ているので、この名があるわけ。
「薬用部と利用法」
止血薬として全草を用いる。新薬ヒスチブルはペンペングサとヤドリギの成分から出来ている。根と葉を黒焼きとし、下痢腹痛にのませる。種子や葉、根を乾かしたもの、煎じてその汁で眼を洗うと痛みが止まる。花を床下に入れておくと蚤が来なくなる。