■クチナシ(あかね科)
 漢名は、梔子、普通に、山梔子と書く。野生は少なく栽培多し・常緑灌木、高さ二mにもなるが普通は一m位。葉は厚く光沢あり、だえん形で鋸歯なく、対生だ。花は白色、佳香あり、花冠は六片に裂開。果実は黄色、長だえん形で両端尖がり、五〜六つの縦の稜がある。

「薬用部と利用法」
 果実を使用する。乾きのわるいものであるから割いて日干してもよい。一回に二〜三g、流行性肝炎に煎じてのむ。漢方では炎症熱を去るための重要薬。粉末をキハダの粉とまぜ酢とウドン粉で練り、打身くじきに貼ると良効。また、止血薬として吐血、略血のも使う。黄色の染料とし食品に使用する。クチナシには種類多く、実のならないものや変種のコクチナシを初め、ガルデニア属、印度産のものなど西洋でも昔から薬用にした。ともかくその成分であるグリコシード(ガルデニン)は将来の研究材料ならん。