漢名は杜衡。山地の蔭地に自生。宿根草で地下に根茎がある。宿存性の二三葉を出す。葉は心臓形で長い葉柄あり、革質(厚い)で無毛。冬を凌ぐ。色は濃緑で脈に沿って灰白色の斑紋がある。花は冬期、根許の葉間から短い花梗を抽き、暗紫色で三つに裂けた花被のある小形の花を着生する。果実は革質でふぞろいに裂けている。根は細辛にくらべやや粗大。辛味も劣る。薬店で土細辛という。
「薬用部と利用法」 根茎を春か秋に採り、乾かしキザミ一回に二〜三g煎じてセキの薬、去痰の目的で気管支カタル、ぜんそくなどに用いる。単味でなく他薬と配合する。種子は煎じて服薬すると乳汁の分泌を促す。 |