■ハコベ(なでしこ科)
 漢名は「はんるう」、俗にハコベラという。山野、路傍いたるところに自生、一年生或いは越年生。茎は多少平臥、直立することなし。茎の一方に沿うて縦に毛茸を為す。葉は対生広卵形。花は四、五月頃白い花を開く。二裂し深く切りこみたる五?花である。三個の花柱を為す。果実は?果である。

「薬用部と利用法」
 産後乳汁の出でざる婦人は葉茎を浸し、或は煮て食すべし。或は乾かせるものを煎じて服用す。脚気にもよし、歯を丈夫にするため塩とともに焼いて歯磨きとするとよい。全草を塩にて揉み、腫物につけてよし。又盲腸炎の初期に煎じて服用す。一回二〜三g。