漢名は丁香。熱帯性のもので、日本にはない(国立薬草園の見本園にある)。印度諸島の海岸に自生する常緑喬木。高さ七〜十メートルにもなる。葉は長だえん形形で尖がり、鋸歯なし。花は淡紅色の花瓣がある。果実は長円形の肉果である。
「薬用部と利用法」 花蕾を使用する。すなわち蕚瓣、長さ十mm、太さ五mm、四つに欠裂した柔鞭にして革質な濃褐色脂肪様の光沢あるもので特異の香気あり。これをソース原料にまぜたり、飲料、酒、食料品などに入れる。薬用としては補温剤として胃腸、内臓の冷えでの衰弱、嘔気などあるに煎じてのむ。用量は〇.三〜〇.五g、酒毒や歯痛にもよい。 |