■アカメガシワ(たかとうだい科)
 山地に自生する落葉喬木で、高さは三〇cm、直径は三〇cm位になる。葉は長さ一〇〜二〇cmで、卵形または菱形で先端は長く鋭尖。互生で葉柄が特に長く葉の長さの二倍ある。若葉と幼芽は赤い。花は六月開花、小形で枝梢の上に穂状の総状花序をなし?る。色は緑黄色、果実はさつかで長さ八mm、果梗に?生する。表面に軟刺あり、帯紅色で熟すると三裂して種子を出す。 雌雄異株。非常に生育の早い木で若葉には特有の臭気がある。材はあまり役に立たない。八丈島などでは炭焼の原料とする。方言にショウグンボク、ワラガシワ、アカガシワ、カワラガシワ、などという。

「薬用部と利用法」
 葉と樹皮を薬用とする。乾燥した葉を煎じて腫物(できもの)に洗?料とした。また胃カタル、胃潰瘍の薬として服用したものである。現今ではこの成分をとり、ベルゲニンまたはバドンという名称で胃潰瘍の内服薬として市販されている。この葉は昔、米飯を包んだり或は載せて竹の皮のように使用したので、これをゴサイまたは「サイモリ」ともいった。