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◆癒着性腸イレウス、七回の手術、その後の腹部の痛み、強度の冷え

60歳代女性 癒着性腸イレウス、七回の手術、その後の腹部の痛み、強度の冷え。 胃腸-01

◆症状と経過

過去33年間、大腸の癒着で苦しんでいるとの相談、顔面に血色はなくいかにも苦しそうである、近隣の開業医や専門病院を訪問してもなかなか回復せず、しまいには気のせいだとか神経質な患者だと言われて、医療不信に陥っている。手術を7回と聞いて驚いてしまったが、現在特に右脇腹の痛みと下腹部の痛みがあるとのこと、子宮筋腫もあったので子宮全摘出となっている、更年期症状が強く発現して50代はそれとの戦い、いらいらもまだ残っており、精神不安もある、顔面蒼白、便は堅い、頭痛、頭重あり、腹鳴ありゴロゴロ、血圧最高200近くになるときがある、(服薬中)体痒み有り、舌苔白色厚い、体冷える、足が冷たく夜もよく睡眠できない状況。

◆使用処方と考察

望診にて、寒証として間違いないほどの顔色、病気からくる不満などでイライラが募っている、処方は桂枝加芍薬湯合四物湯加山椒縮砂に膠飴を30g添付して渡す、大建中湯単味も考慮したが、血虚が強く胃腸も弱いとのこと、大建中湯+四物湯のような組み合わせとなった、1ヶ月後、劇的に顔色が良くなり、下腹部の痛みも嘘のように消え去ったとのこと、長年悩んできたことが嘘のように回復したとご本人がうれしそうに報告される、今まで病院等で顆粒をいろいろ服用していたそうで、さすがに漢方は煎じなくては効かないものだと思い知らされる。現在も継続中で痛みなど不快感は消失している。漢方薬局冥利に尽きる1例である。


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