■クマヤナギ(くろうめもどき科)
 漢名、熊柳。山野、河のほとりなどに自生。落葉灌木で、蔓状の枝がのびて他物にからもつき、伸びて行く。乾は相当太くなる。膿黒緑色で斑紋がある。葉はだえん形叉は卵形の互生で葉脈がくぼみ、裏は時折り白くなっている。花は緑白色の小花で円錐花序をむらがり生ず。秋の末には紅黒色の米粒大のだえん形の実が穂状になって結ぶ。

「薬用部と利用法」
 茎、葉をとり一日五〜十g煎じてのむ。苦味健胃薬で胃腸の病に効がる。戦時中、民間療法に用いられたもので、これからなお研究すべき資料といえる。この幹は堅く質がよいのでまるく輪にくりぬき牛の鼻輪に使用したもの。